腸閉塞(イレウス)とは、何らかの原因により小腸や大腸の動きが悪くなったり、腸管がふさがったりしてしまう腹部の症状でよく見られる急性疾患の一つです。
これにより腹部の痛みや張り、嘔吐、下痢が続くなどの症状が出ます。
腸閉塞は腸の癒着(腸の一部が他の臓器や腹膜などとくっついてしまう状態)が原因となることが多く、大腸がんの人や腹部の手術歴がある人がなりやすい疾患です。
また、稀に食べ物自体が腸につまってしまい、それが原因で腸閉塞を引き起こしてしまう「食餌性イレウス」という疾患があります。
消化が悪い食べ物をよく噛まずに飲み込んだり、過剰に摂取する人がなりやすく、こんにゃく、昆布、ワカメ、キノコ、餅などの食べ物が原因になることが多いです。
1月は餅を食べる機会が多くなるという方がほとんどだと思いますが、のどにつまらなければ安全という訳ではないので、可能な限り小さく嚙み砕いてから飲み込むように心がけましょう。
ちなみに餅はCT 検査で見つけやすい特徴があり、CT 値が高い(白く見える)ため、比較的診断しやすいのだそうですよ。
また、冒頭で腸閉塞とイレウスは同じものとして説明しましたが、専門的に見て別物とされる場合があり、腸閉塞は「腸管の閉塞」で、イレウスは「腸管のマヒ」と区別されています。
食餌性イレウスと表記されていることが多いですが、腸管の閉塞が原因となる疾患のため、「食餌性腸閉塞」の表記が正しいとされる場合もあるようです。

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